肝硬変のB型肝炎給付金はいくら?対象となる要件・金額・請求方法

公開日:

B型肝炎給付金の請求期限は
2027年3月31日です

アディーレ法律事務所 B型肝炎訴訟チーム
 監修 丹野 卓真 弁護士
丹野 卓真 弁護士

目次

肝硬変とは?

肝硬変とは、肝臓が硬く小さくなり、進行すると正常な働きができなくなっていく肝疾患です。

肝臓に炎症が起きた状態が続くと、細胞が破壊されたり性質が変わったりします。

しかし、肝臓は再生力・予備能力が高い臓器です。そのため、細胞の再生や残った細胞の能力を引き出すことによって損傷をカバーしようとします。

このとき、再生した細胞や残った細胞の周りに線維組織が増えて、肝臓は硬く小さくなっていくのです。

肝硬変の原因

肝硬変の原因には、以下のようにさまざまなものがあります。

  • ウイルス性(B型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルスへの持続感染)
  • 自己免疫性(自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎)
  • 代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD※)
  • アルコール性
  • 代謝性(ヘモクロマトーシス、ウイルソン病)

日本では、これまでB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスへの持続感染を原因とするウイルス性の肝硬変が多くを占めていました。

しかし、生活習慣の変化に伴い、アルコールやMASLDによる肝硬変が増えています。

※旧称:非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)

肝硬変の症状(代償性肝硬変・非代償性肝硬変)

肝硬変は、肝臓の機能がどれだけ保たれているかによって「代償性肝硬変(だいしょうせいかんこうへん)」と「非代償性肝硬変(ひだいしょうせいかんこうへん)」に分けられます。

代償性肝硬変とは、初期の肝硬変のことです。

この段階では、正常な肝細胞が残っており、破壊された肝細胞の働きを補うため、肝機能もある程度は保たれます。そのため、多くの場合、自覚症状がほとんどありません。

一方で、非代償性肝硬変とは、進行した肝硬変のことです。

この段階になると、破壊された肝細胞の働きを補いきれなくなり、腹水、黄疸、肝性脳症などのさまざまな自覚症状が現れることがあります。

肝硬変の重症度

肝硬変の重症度は、Child-Pugh分類(チャイルド・ピューぶんるい)という評価指標の合計点によってA~Cの3段階に分けられています。

Child-Pugh分類のスコア表

判定基準 1点 2点 3点
肝性脳症 なし 軽度(Ⅰ・Ⅱ) 昏睡(Ⅲ以上)
腹水 なし 軽度 中等度以上
血清アルブミン値 3.5 g/dL超 2.8~3.5 g/dL 2.8 g/dL未満
血清総ビリルビン値 2.0 mg/dL未満 2.0~3.0 mg/dL 3.0 mg/dL超
プロトロンビン時間 70%超 40~70% 40%未満

肝硬変の重症度

Child-Pugh分類 スコア合計
A 5~6点
B 7~9点
C 10~15点

一般的な目安として、Child-Pugh分類におけるAは代償性、B・Cは非代償性に相当するとされています。

B型肝炎が原因の肝硬変は給付金の対象となる可能性がある

B型肝炎ウイルスへの持続感染に起因する肝硬変は、「B型肝炎の給付金」の対象となる可能性があります。

B型肝炎の給付金とは?

B型肝炎の給付金(特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等)とは、『特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法(特措法)』に基づき、過去の集団予防接種等における注射器の連続使用が原因でB型肝炎ウイルスに持続感染した方に支払われるお金です。

感染被害にあわれた方々を救済するため、国が「損害賠償」として支払います。

B型肝炎給付金の受給要件

B型肝炎の給付金を請求するためには、以下のいずれかの要件を満たしている必要があります。

受給対象者 受給要件
一次感染者
  • B型肝炎ウイルスに持続感染している
  • 満7歳になるまでに集団予防接種等(予防接種及びツベルクリン反応検査)を受けている
  • 集団予防接種等における注射器の連続使用があった
  • 母子感染でない
  • その他集団予防接種等以外の感染原因がない
二次感染者
(母子感染者)
  • 本人の母親が一次感染者の要件をすべて満たしている
  • 本人がB型肝炎ウイルスに持続感染している
  • 感染原因が母子感染である
二次感染者
(父子感染者)
  • 本人の父親が一次感染者の要件をすべて満たしている
  • 本人がB型肝炎ウイルスに持続感染している
  • 感染原因が父子感染である
三次感染者
  • 本人の母親または父親が二次感染者(母子感染者または父子感染者)の要件をすべて満たしている
  • 本人がB型肝炎ウイルスに持続感染している
  • 二次感染者から三次感染者への感染原因が母子感染または父子感染である
給付金対象者可能性のチェックはこちらから給付金対象者可能性のチェックはこちらから

B型肝炎の給付金を請求する流れ

B型肝炎給付金の請求手続は、大まかに以下の流れで行います

  1. 受給要件を満たすことを証明する書類を集める
  2. 国に対し裁判(訴訟)を提起する
  3. 受給要件を満たすと判断されれば和解が成立する
  4. 「社会保険診療報酬支払基金」に必要書類を提出し給付金を請求する

なお、「裁判」と聞くと大ごとに感じるかもしれませんが、あくまでも「給付金の支給要件を満たしていることを認めてもらう」ための手続です。

給付金を受け取ることは、感染被害者の方に認められている正当な権利ですので、ご安心ください。

B型肝炎給付金の金額

B型肝炎の給付金の金額は、病態や発症後・感染後の経過年数に応じて50万円~3,600万円の範囲であらかじめ定められています。

そのため、給付金の請求手続においては、正確な病態を認めてもらうことが重要です。

肝硬変で和解した場合のB型肝炎給付金の金額

肝硬変の場合、病態が給付金制度における「軽度の肝硬変」と「重度の肝硬変」のどちらに分類されるかによって、以下のように金額が異なります。

軽度の肝硬変の給付額

発症後 給付額
20年が経過していない方 2,500万円
20年が経過し、現に
治療を受けている方等
600万円
20年が経過した、
上記以外の方
300万円

重度の肝硬変の給付額

発症後 給付額
20年が経過していない方 3,600万円
20年が経過している方 900万円

また、どちらの病態においても、発症から20年以内に訴訟を提起したかどうかによって、和解時の給付金額が大きく変わります。
この「20年」の期間を、「除斥期間(じょせききかん)」と呼びます。

除斥期間(じょせききかん)とは

除斥期間(じょせききかん)とは、改正前の民法で定められていた「一定期間権利を使わないと、損害賠償を請求する権利自体が消えてしまう」という法律上の仕組みです。

そのため、本来であれば20年の経過により損害賠償を請求する権利自体が消滅します。

しかし、B型肝炎給付金の制度では、被害者救済の観点から、権利が消滅したあとも減額した給付金が支給される扱いとなっています。

除斥期間の起算点(カウントを始める日)

肝硬変の場合、除斥期間は「肝硬変を発症した日」から数えるのが原則です。

慢性肝炎から肝硬変に進行した場合でも、あくまで「肝硬変を発症した日」が起算点(20年のカウントを始める日)になります。

除斥期間を経過した軽度の肝硬変の取り扱い

軽度の肝硬変の発症から20年を経過した方については、「現に治療を受けている方等」に該当するかどうかによっても、給付金額が変わります。

「現に治療を受けている方等」とは、以下の①~③のどれかに当てはまる方です。

  1. 以下の要件を満たしている
    • 訴訟提起の日から1年前の日以降において、病理組織検査により肝硬変と認められている
    • その肝硬変がB型肝炎ウイルスの持続感染と相当因果関係があると認められている
  2. 以下の要件を満たしている
    • 訴訟提起の日から1年前の日以降において、医師の診断書に加え、診断を裏付ける診療録、画像検査報告書及び血液検査結果等により、総合的に肝硬変と認められている
    • その肝硬変がB型肝炎ウイルスの持続感染と相当因果関係があると認められている
  3. 以下のいずれかの治療歴が医療記録等から認められる
    • インターフェロン製剤
    • 核酸アナログ製剤
    • ステロイドリバウンド療法
    • プロパゲルマニウム

①~③のどれか1つでも当てはまる場合、給付金の金額は600万円と定められています。

どれにも当てはまらない場合、給付金の金額は300万円に減額されます。

軽度の肝硬変で和解するために必要な証明

給付金の請求手続において、「軽度の肝硬変」で和解するためには、以下の3つを立証する資料を提出する必要があります。

  1. 受給要件に当てはまること
  2. 肝硬変を発症したこと
  3. 肝硬変がB型肝炎ウイルスへの持続感染に起因すること

①受給要件に当てはまること

まずは、「B型肝炎給付金の対象者となる要件」に当てはまることを証明する資料が必要です。

たとえば、一次感染者の方であれば、以下のような資料が必要になります。

  • B型肝炎ウイルスに持続感染していることを示す血液検査結果
  • 満7歳になるまでに集団予防接種等を受けたことがわかる資料
  • 母子感染ではないことを示す資料
  • 集団予防接種等以外の感染原因がないことを示す資料 など

詳しくは、以下のページをご覧ください。

②肝硬変を発症したこと

次に、「肝硬変」を発症したことを証明するために、以下のいずれかの資料が必要です。

  • 「肝硬変」と診断された病理組織検査結果
  • 総合的に「肝硬変」と認められる資料一式
    (医師の診断書+診断を裏付ける診療録+画像検査報告書+血液検査報告書等)

③肝硬変がB型肝炎ウイルスへの持続感染に起因すること

最後に、「肝硬変」がB型肝炎ウイルスへの持続感染によって生じたものであることの証明が必要です。

この因果関係は、「②肝硬変を発症したこと」を証明する資料から、以下のような事実を確認し判断されます。

  • HBV-DNA量、肝炎ウイルスマーカーなどの検査結果
  • B型肝炎ウイルスの特異的な治療の有無、ほかの原因の有無、治療経過などを踏まえた医師の診断

重度の肝硬変で和解するために必要な証明

給付金の請求手続において、「重度の肝硬変」で和解するためには、以下の4つを立証する資料を提出する必要があります。

  1. 受給要件に当てはまること
  2. 肝硬変を発症したこと
  3. 肝硬変がB型肝炎ウイルスへの持続感染に起因すること
  4. 肝硬変が重度であること

なお、①②③は「軽度の肝硬変の場合」と同じです。

④肝硬変が重度であること

肝硬変が重度であることを証明するためには、以下のいずれかの資料が必要です。

  • 90日以上間隔をあけた2時点で、Child-Pugh分類の合計が10点以上であることがわかる資料
    (カルテ、血液検査結果、エコー・CT・MRI等の画像検査結果など)
  • 肝臓移植を行ったことがわかる資料

Child-Pugh分類について詳しくは、「肝硬変の重症度」をご確認ください。

資料の適切な判断・収集は難しい場合も多い

このように、給付金を受け取るにはさまざまな資料が必要になります。証拠資料の収集は、適切な金額の給付金を受け取るためにもとても重要です。

しかし、資料収集には専門的な知識が必要なうえ、想像以上の時間や労力がかかります。ご自身で正確に必要な資料を判断し、漏れなく資料を収集することは難しい場合も多いです。

たとえば、以下のような壁にぶつかるケースも少なくありません。

  • 古い医療記録(カルテ、検査結果など)が破棄されてしまっている
  • 複数の病院を受診・転院しており、どこからどの資料を取り寄せればいいかわからない など

資料が不十分なまま請求をしてしまうと、本来受け取れるはずの金額が認められなかったり、手続に必要以上に時間がかかってしまったりするリスクもあります。

B型肝炎の給付金請求は弁護士への相談がおすすめ

B型肝炎の給付金請求をお考えであれば、弁護士に相談することをおすすめします。

肝硬変で和解するために必要な資料を判断してもらえる

弁護士であれば、ご事情に応じて必要な資料を精査・判断できます。

本来の病態に見合った証拠を漏れなく提出することで、スムーズに手続を進めやすくなるでしょう。

資料収集や請求手続を任せられる

弁護士であれば、医療記録や戸籍などの収集を代わりに行えます(※)。

また、訴状の作成から裁判所とのやり取り、出廷などの対応も任せられるため、安心です。

原則として、ご本人が裁判所へ足を運ぶ必要もないため、精神的・時間的な負担を大きく軽減できるでしょう。

※一部の資料はご自身で集めていただく必要がありますが、その場合も弁護士が丁寧にアドバイスいたしますのでご安心ください。

入通院中の方や体調が優れない方も無理なく手続できる

給付金の請求手続をご自身で行う場合、必要な資料を精査し、医療機関や役所で資料を集め、複雑な書類を作成しなければなりません。

特に、入院中・通院中の方や、体調が優れない方にとっては、身体的にも精神的にも大きな負担が伴います。

しかし、弁護士に依頼すれば、煩雑な手続の大半を代わりに行ってもらえるため、安心です。

療養に専念しながら、無理なく手続を進められます。

肝硬変で和解しB型肝炎の給付金を受け取れた事例

50代・男性

Eさん(50代・男性)

和解金
2,500万円
ご相談時の症状
肝硬変(軽度)
発症からの期間
20年未満

肝硬変と診断されたEさんは、「B型肝炎の給付金について話を聞いてみたい」と、当事務所へご相談くださいました。
しかしご依頼後、資料収集を進めるなかで、医療記録の一部が存在していないことが判明。
そこで弁護士は、医療記録の代わりとなる不存在証明書や陳述書による立証をし、請求手続を行いました。その結果、Eさんは無事に給付金2,500万円を受け取ることができました。

※事例の内容はご相談当時の状況や条件等によります。

肝硬変とB型肝炎給付金に関するよくある質問

現在は肝硬変の症状が落ち着いている場合も、給付金を請求できますか?

治療などによって現在は症状がない場合でも、受給要件を満たし、肝硬変を発症した事実を証明できれば、肝硬変としての金額で給付金を請求できます。

肝硬変である本人が入院中の場合、家族が相談や手続をすることはできますか?

アディーレ法律事務所では、ご家族の方からのご相談も承っております。

なお、ご契約はご本人と行うことになります。

ただし、ご本人によるご依頼後の連絡や資料の提出が難しい場合には、ご家族の方を窓口として進めることも可能です。

そのほか、ご本人の意思確認が難しい場合には成年後見制度の利用などもご案内できますので、詳しくはお問合せください。

B型肝炎に起因する肝硬変だった家族が亡くなった場合、遺族が給付金を請求できますか?

B型肝炎ウイルスへの持続感染に起因する肝硬変だったご家族が亡くなった場合、ご遺族(相続人)の方が代わりに給付金を請求することが可能です。

給付金額は、亡くなった直接の原因がB型肝炎かどうかによって、以下のように異なります。

死因がB型肝炎に起因する場合

死亡後 給付額
20年が経過していない方 3,600万円
20年が経過した方 900万円

死因がB型肝炎に起因しない場合

生前の病態 発症後 給付額
重度の肝硬変 20年が経過していない方 3,600万円
20年が経過した方 900万円
軽度の肝硬変 20年が経過していない方 2,500万円
20年が経過した、
生前に治療を受けていた方等
600万円
20年が経過した、
上記以外の方
300万円

「死因がB型肝炎に起因しない場合」とは、たとえば、B型肝炎による肝硬変だった方が交通事故などで亡くなられたケースなどのことです。

このようなケースでも、B型肝炎ウイルスに起因する病態の範囲内で給付金を請求できます。

まとめ

集団予防接種等が原因でB型肝炎ウイルスに持続感染し肝硬変を発症された方は、受給要件を満たせば給付金制度の対象となる可能性があります。

肝硬変で和解した場合、病態の程度や発症からの経過年数などに応じ、300万円~3,600万円の範囲で給付金を受け取れる可能性があるため、まずはご自身が受給対象となるか確認してみてください。

ただし、肝硬変で和解するためには、受給要件を満たすことに加え、病態を証明するさまざまな資料を集める必要があります。
ご自身だけで過不足なく資料を収集し、スムーズに手続を進めるのは難しい場合も少なくありません。

そのため、B型肝炎の給付金請求をお考えであれば、弁護士へご相談されることをおすすめします。

アディーレ法律事務所なら、B型肝炎の給付金請求に関するご相談は何度でも無料です。
少しでも心当たりがあれば、まずはお気軽にご相談ください。

弁護士からのメッセージ

丹野 卓真 弁護士

弁護士丹野 卓真

B型肝炎訴訟に関する情報は専門的でわかりにくい部分も少なくありません。本コラムでは、できるだけわかりやすく正確な情報をお届けし、一人でも多くの方が適切な支援につながることを願っています。制度への理解を深め、最初の一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。また、訴訟手続や給付金請求に関する不安や疑問を少しでも解消できるよう、実務経験を踏まえた情報発信に努めてまいります。

肝臓専門医と肝炎にまつわる対談を実施

B型肝炎給付金受給の無料診断

【まずは無料診断】簡単診断でB型肝炎給付金の可能性をチェックしましょう

給付金対象者可能性のチェックはこちらから給付金対象者可能性のチェックはこちらから

B型肝炎給付金受給がもっとわかる資料

「B型肝炎訴訟をするにあたって、必要な情報がわからない…」 そんなお悩みを解決するために、B型肝炎訴訟について知っておきたいことをこの1冊に詰め込みました

無料で読める!B型肝炎給付金がもっとわかる資料 資料について詳しく見る

お電話やフォームでもご相談、
ご予約をお受けしております

ご家族、ご遺族のお問合せも受け付けております

通話無料 0120-881-920 受付時間 9:00~22:00 365日受付中

ご家族、ご遺族のお問合せも受け付けております

弁護士への相談は何度でも無料

B型肝炎給付金の診断はどなたでも対象。LINEで完結。LINEで無料診断スタート。 この表示を消す