B型肝炎の給付金請求・訴訟に関する用語集 あ行

あ行の用語

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IgM-HBc抗体 [あいじーえむえいちびーしーこうたい]

HBc抗原に対する抗体の一種であり、HBVへの感染後、3~6ヵ月程度で消失します。そのため、IgM-HBc抗体が陽性(+)の場合、HBVに最近感染したことを意味することが多いです。もっとも、B型慢性肝炎の急性増悪の場合もこの抗体が陽性を示す場合があります。いずれにあたるかは、急性B型肝炎の初期感染時期では高力価を示し、B型慢性肝炎の増悪期や、持続感染者の急性肝炎発症時には低力価を示すことで区別できます。

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一次感染 [いちじかんせん]

一般的には、最初にウイルスなどに感染した後で、さらに別の人に感染した場合、最初に感染することを一次感染といいます。今回のB型肝炎の給付金制度では、集団予防接種等によりB型肝炎ウイルス(HBV)に感染した方を一次感染者として救済の対象としているのみならず、一次感染者である母親からの母子感染により感染された方も二次感染の被害者として給付金の支給対象としています。

制度上、救済対象となる一次感染者であることを証明するためには、下記の5つの要件を満たすことが必要です(一次感染者からの母子感染については、二次感染の項目をご参照ください)。

(1)B型肝炎ウイルス(HBV)に持続感染していること
一過性の感染歴があるだけでは、救済の対象とはなりません。血液検査結果による証明方法や、医学的知見を踏まえた個別判断により認められる場合があります。
(2)満7歳になるまでに集団予防接種等を受けていること
持続感染化するのは免疫機能が未発達な幼少期に感染した場合であると考えられているため、母子健康手帳や集団予防接種等の接種痕により満7歳になるまでに集団予防接種等を受けていることを確認することが必要となります。
(3)集団予防接種等における注射器の連続使用があったこと
B型肝炎の給付金制度において、国に責任のある期間は、予防接種法の施行日である昭和23年7月1日から、注射筒のひとりごとの取り替えを指導した昭和63年1月27日までの期間とされています。この期間内に集団予防接種等を受けたことを確認することができれば、通常は注射器の使い回しが行なわれていたものと認められます。
(4)母子感染ではないこと
母子感染は、乳幼児期のB型肝炎ウイルス(HBV)感染を引き起こすもっとも有力な原因とされており、集団予防接種等とHBV感染との因果関係を主張するにあたって母子感染ではないことを証明する必要があります。
(5)その他集団予防接種等以外の感染原因がないこと
B型肝炎ウイルス(HBV)は母子感染以外にも輸血による感染、父親などからの家族内感染、性交渉による感染など、さまざまな感染経路があり得ます。したがって集団予防接種等とHBV感染との因果関係を主張するにあたって一定の時期のカルテなどを提出することによって、その他の感染経路が見当たらないことを証明することが必要になります。

5つの要件を満たすためには、少なくはない量の資料を収集・調査し、証拠資料として提出しなければなりません。専門的な内容も多く、どの資料をどこへ問い合わせれば集められるのか、入手が不可能な書類についてはどうすればよいのかなど、ご不明な点もあるかと思います。当事務所ではB型肝炎の給付金請求に関する弁護士へのご相談は何度でも無料です。どうぞお気軽にご相談ください。

一過性感染 [いっかせいかんせん]

ウイルスなどが身体の中に入った後、免疫機能によって体外に排出された状態のことをいい、反対の概念として持続感染があります。B型肝炎ウイルス(HBV)の場合、思春期以降になってからの感染では、一過性の感染で終息することがほとんどで、20~30%の方に急性肝炎の症状が出ることがありますが、大部分の方はウイルスが排除され(もっとも、健康上問題ない程度の微量なHBVは肝臓に残存します)、慢性化(持続感染)はしません。また、自覚症状(全身のだるさ・食欲不振・微熱)が出ないままウイルスが体外に排出される方もいます(不顕性感染)。ただし、急性肝炎を発症した方のうち、1~2%の方は症状の重い劇症肝炎を発症します。

また、感染経路の複雑化により、近年ではジェノタイプA型のHBVが海外から日本に持ち込まれており、このタイプのHBVによる急性肝炎は、日本に多いB型、C型のHBVと比べて慢性化しやすいという特徴がありますので、感染後の経過には注意が必要です。

インターフェロン [いんたーふぇろん]

インターフェロンとは、人間の細胞が、ウイルスやがん細胞などの異物に反応して分泌するタンパク質で、ウイルスや腫瘍細胞の増殖を抑制するなどの効果があります。

本来、インターフェロンは体内でわずかしか作られませんが、これを人為的に作りだし、薬として投与することで、抗ウイルス作用や免疫増強作用を引き出す治療法をインターフェロン治療といいます。B型慢性肝炎の場合、インターフェロン治療の効果がみられる方は治療対象者の約3割と限定的なものにとどまっており、無効例も少なくはありません。

このような状況の中、B型肝炎の治療薬として新しく認可された(日本では2011年)のがペグ・インターフェロンです。これはインターフェロンにポリエチレングリコール(ペグとはポリエチレングリコールの略称)を結合させたもので、従来のインターフェロンよりも血中濃度が維持されることにより、薬効成分が長く血中にとどまるため、抗ウイルス効果が持続します。そのため、従来のインターフェロンよりも投与の回数が少なく週1回でよいとされており、患者の負担を緩和するものとなっています。

平成20年以降、国および各都道府県は肝炎治療特別促進事業のもと、高額になりがちなB型肝炎の治療(インターフェロン治療・核酸アナログ製剤治療・インターフェロンフリー治療)にかかる医療費を助成しています。

この制度を利用すれば、患者の皆さまの自己負担限度額は月1万円(所得により2万円まで)まで軽減されます。詳細については、都道府県、お近くの保健所までお問い合わせください。

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ウイルス性肝炎 [ういるすせいかんえん]

肝炎には、お酒の飲み過ぎによって引き起こされるアルコール性肝炎や、最近注目されている生活習慣病によって引き起こされる非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)などがあります。しかし、それ以外にもっとも一般的なのは、ウイルスへの感染が原因で肝臓に炎症などが発生するウイルス性肝炎です。

ウイルス性肝炎には主にA~Eまで5つの種類(G型、TT型も含めると7種類)があります。急性肝炎は、どの種類でも起こり得ますが、慢性肝炎のほとんどはB型肝炎とC型肝炎であり、日本ではこの両方がウイルス性肝炎の多くを占めています。

ウイルス性肝炎による肝炎発症のメカニズムは、ウイルス自体が肝細胞を破壊するために起こるのではありません。実は、肝細胞内で増殖して活動するウイルスに対して、身体の免疫反応がウイルスと一緒に肝細胞も破壊してしまうことから炎症が起こります。

ウイルスマーカー [ういるすまーかー]

ウイルスへの感染は、ウイルスに由来する抗原や、それに対応する抗体血液検査によって調べることで診断できます。この抗原や抗体のことをウイルスマーカーと呼びます。B型肝炎ウイルス(HBV)の場合、HBs抗原HBe抗原HBs抗体HBe抗体HBc抗体IgМーHBc抗体などがウイルスマーカーとなります。

ウインドウ期 [うぃんどうき]

B型肝炎ウイルス(HBV)に感染しているかどうかは、血液検査によって判定されます。しかし、ウイルスに感染してからの一定期間(感染初期)は、血液検査を行っても陰性となり、ウイルスへの感染が検出されません。このような期間をウインドウ期(ウインドウ・ピリオド)と呼びます。これは、感染した直後は、ウイルスが身体の中で増殖していないために血液中に存在する抗原や抗体の量が微量のため、検出できないからです。

HBVの場合、従来の血清学的な検査方法(HBs抗原検査)によるウインドウ期は約59日でしたが、新しく導入された核酸増幅検査(NAT)では、約34日に短縮されました。これは、NATが、抗原や抗体ではなくウイルスのDNAの一部を約1億倍に増幅してウイルスの有無を検出するため、検出感度が高いからです。

ウインドウ期を短くすることは、二次感染の被害を防ぐ意味で非常に重要であり、より感度の高い検査法を目指した努力が続けられています。

B型肝炎ウイルス(HBV)
検査方法 ウインドウ・ピリオド
HBs抗原検査 約59日
核酸増幅検査(NAT) 約34日
ウルソデオキシコール酸 [うるそでおきしこーるさん]

肝庇護療法に使用される薬の1種です。インターフェロンのようにB型肝炎ウイルス(HBV)の増殖を抑制するような抗ウイルス作用はありませんが、肝臓の血流を促進して肝細胞を保護する働きがあります。グリチルリチン製剤とは異なり内服薬ですので、使用しやすいというメリットがあります。B型肝炎の治療ばかりでなく、C型肝炎の治療にも使われます。

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エタノール注入療法(PEI、PEIT) [えたのーるちゅうにゅうりょうほう]

エタノールが持っている強力な脱水作用・タンパク質凝固作用を利用して、腫瘍を死滅させる肝細胞がんの治療法であり、局所穿刺療法のひとつです。腹部に超音波を当てて腫瘍の位置を測りながら、体表から長い特殊な注射針を刺して腫瘍に直接100%のエタノール(無水エタノール)を注入します。

1980年代に考案された当初は、肝切除術に比べて患者の負担も少なく安全性も高いので、肝機能が低下していたり、高齢の方や合併症のある方など手術ができないような場合の治療法として普及しました。

しかし、この治療法が適応するのは、がんの直径が小さく(3センチ以下)、腫瘍数も3個以下の場合に限られるとされています。さらに、エタノールが正確に腫瘍全体に行き渡っているかを判定することが難しく、 何度も行わなければならないケースもあるなど、手術に比べると効果が確実ではありませんでした。そのため、こうした弱点を解決するためにマイクロ波焼灼(熱凝固)療法(PMCT)ラジオ波焼灼(熱凝固)療法(RFA)が新たに考案されました。

ALP [えーえるぴー]

ALPはアルカリホスファターゼの略称で、エネルギー代謝に関わるリン酸化合物を分解する酵素のひとつです。肝臓以外にも骨や小腸、胎盤などに多く含まれ、これらの臓器などが損傷すると血液中に流れ出します。

ALPは肝機能障害や胆道疾患を調べるための指標となり、胆石や胆道がんなどで胆汁の流れが悪くなる(胆汁うっ滞)と、胆汁に含まれるALPが血液に流れ込み、さらには肝細胞内での生成も盛んになりますので、ALP値は大きく上昇します。

ALT [えーえるてぃー]

ASTとともに、肝機能の働きを調べるもっとも基本的な血液検査の数値です。ALTは体のほとんどの細胞の中に含まれている酵素であり、アミノ酸の代謝にかかわるものです。特に肝細胞の中に多く含まれています。健康な人であっても、常にすこしずつ血液中に流れ出ていますが、炎症などで肝細胞が壊れると、血中に流れ出る分量が増加します。そのため、肝機能の障害を調べる検査の目安として利用されています。

一般的に、ALTやASTの値が高くなるほど肝機能に障害が生じていますが、B型肝炎ウイルスによる慢性肝炎では、ASTよりもALTの値のほうが大きくなります(AST/ALT)<1。これに対して、肝炎の症状が進み、肝硬変肝がんとなった場合にはASTの値のほうが大きくなります(AST/ALT)>1。

なお、ALTはアラニンアミノトランスフェラーゼの略称ですが、GPT(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ)という名前でも呼ばれています。ALTが国際基準の名称であるため、GPTからALTに名称が変更されつつあります。血液検査の結果に「ALT(GPT)」と書かれているのはそのためです。

AST [えーえすてぃー]

ALTとともに、肝機能の働きを調べるもっとも基本的な血液検査の数値です。ASTは身体の組織の細胞内に広く存在している酵素であり、アミノ酸の代謝にかかわるものです。特に肝臓(肝細胞)などに多く含まれています。健康な人であっても、常にすこしずつ血液中に流れ出ていますが、炎症などで細胞が壊れると、血中に流れ出る分量が増加します。そのため、肝機能の障害を調べる検査の目安として利用されています。

一般的に、ASTやALTの値は高値になるほど肝機能に障害が生じていますが、B型肝炎ウイルスによる慢性肝炎では、ASTよりもALTの値のほうが大きくなります。(AST/ALT)<1。これに対して、肝炎の症状が進み、肝硬変肝がんとなった場合にはASTの値の方が大きくなります(AST/ALT>1)。

なお、ASTはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼの略称ですが、GOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)という名前でも呼ばれています。ASTが国際基準の名称であるため、GOTからASTに名称が変更されつつあります。血液検査の結果に「AST(GOT)」と書かれているのはそのためです。

HBV [えいちびーぶい]

B型肝炎ウイルス(Hepatitis B Virus)の略称です。肝臓の炎症性疾患を引き起こす肝炎ウイルスには、主にA~Eまで5種類(G型、TT型も含めると7種類)あります。このうち、HBVは、B型肝炎の原因となるウイルスです。食べ物や飲み水などで経口感染するA型肝炎ウイルス(HAV)やE型肝炎ウイルス(HEV)などとは異なり、B型肝炎ウイルスの感染経路は、血液や体液などの非経口感染となっています。

肝炎ウイルスは、DNAのみ持っているもの、RNAのみ持っているもののいずれかで、HBVはC型肝炎ウイルス(HCV)とは異なり、DNAのみで構成されており、3200個の塩基(DNAの構成単位)から成り立っています。動物に感染するDNAウイルスとしては、もっとも小さいものです。

HBVは遺伝子レベルでの分類がされており、これまでA型からH型までの8つの遺伝子型(ジェノタイプ)が確認されています。ジェノタイプは地域特性や慢性化率などに違いがあり、日本ではジェノタイプCとBがほとんどを占めています。ほかにも、欧米に多いA型や、エジプトやトルコに多いD型などがあります。昨今、感染経路の複雑化により、ジェノタイプA型のHBVが海外から日本に持ち込まれており、ジェノタイプA型のHBVによる急性肝炎は、慢性化し易いことから注意が必要となっています。

なお、B型肝炎の給付金制度では、出生時(母子感染)や、乳幼児期の集団予防接種等によりHBVに持続感染した方を受給対象としており、成人後の感染による持続感染者を除外しています。そのため、平成8年以降にHBVの感染が判明した方については、ジェノタイプがAe型(A型の一種)ではないことを証明する検査結果が必要となります。これは、ジェノタイプAe型が平成8年以降に日本で感染例が確認されており、成人後の感染であっても10%前後の方が持続感染化するからです。

HBe抗原 [えいちびーいーこうげん]

B型肝炎ウイルス(HBV)抗原の1種です。HBe抗原が陽性(+)であれば、血液中のHBV量が多いので、HBVの増殖力や他人への感染力が高いことを意味しています。

HBe抗体 [えいちびーいーこうたい]

B型肝炎ウイルス(HBV)への抗体の1種、特にHBe抗原に対する抗体のことです。HBe抗体が陽性(+)であれば、血液中のHBV量が少ないので、HBVの増殖力や他人への感染力が低いことを意味しています。

HBs抗原 [えいちびーえすこうげん]

B型肝炎ウイルス(HBV)抗原の一種です。HBs抗原が陽性(+)であれば、現在HBVに感染していることを意味しています。この点、HBs抗原が陰性(-)であったとしても、HBc抗体が陽性(+)の場合、HBVへの感染と診断されますので、注意が必要です。

HBs抗体 [えいちびーえすこうたい]

B型肝炎ウイルス(HBV)への抗体の1種であり、HBs抗原に対する抗体のことです。HBs抗体が陽性(+)ならば、過去にHBVに感染して免疫を獲得していることを意味します。つまり、B型肝炎を発症して治癒したり、あるいは、B型肝炎ワクチンを接種した人はHBs抗体が陽性(+)となります。この状態では、もし、HBVが体内に入ってきたとしてもウイルスは排除されますので、原則として肝炎を発症することはありません。

HBc抗体 [えいちびーしーこうたい]

B型肝炎ウイルス(HBV)への抗体の1種であり、HBc抗原に対する抗体のことです。HBc抗体が陽性(+)であれば、HBVに現在感染している、または、過去に感染したことを意味します。

HBV分子系統解析検査 [えいちびーぶいぶんしけいとうかいせきけんさ]

B型肝炎の給付金請求手続において、この検査結果が必要となる場合があります。

(1)一次感染者の場合
父親がB型肝炎ウイルスの持続感染者である場合、父親からの感染でないことを証明するための資料として、父親と本人のB型肝炎ウイルスの塩基配列を比較した検査結果(HBV分子系統解析結果)が必要となります。
(2)二次感染者の場合
母子感染の場合、一次感染者である母親からの感染であることを証明するための資料として、母親と本人のB型肝炎ウイルスの塩基配列を比較した検査結果(HBV分子系統解析結果)が必要な場合があります。
HBV-DNA [えいちびーぶいでぃーえぬえー]

B型肝炎ウイルス(HBV)のウイルス量を数値化したものです。直接的には、ウイルスの活動性の評価や治療効果の測定に使われますが、病態の把握や予後の推定、治療法の適応可能性を検討する際に不可欠な測定でもあります。値が高ければウイルス量が多いことを意味し、肝硬変への進展率や肝がんの発生率は高くなります。逆に、値が低ければウイルス量が少ないことを意味し、肝炎が起きにくかったり、鎮静化する方向性に向かいます。

MRI [えむあーるあい]

MRIとは磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging)の略語であり、磁気と電波を利用して生体を画像化する撮影方法です。B型肝炎では、肝硬変肝がんの病変を確認するための検査として用いられます。

CT検査腹部超音波検査と比較して画像の精度が高く、また放射線に被曝することなく、縦、横、斜めなどさまざまな方向から臓器の断層写真を撮影できるなどのメリットがあります。ただし、検査時間が30分ほどと比較的長くかかることや、身体に磁気を当てて検査するために心臓ペースメーカーを装着している方は利用できないなどのデメリットもあります。また、ガドリニウム系の造影剤に対するアレルギーがある方は、造影MRI検査は受けられません。

LDH [えるでぃーえいち]

糖分を分解してエネルギーを作る働きをしてくれる酵素で、乳酸脱水素酵素とも呼ばれています。身体の中のほとんどの細胞に含まれており、肝臓以外にも、腎臓、心筋、骨格筋などの臓器や組織に多く含まれています。

LDHは、正常な場合は血液中にごく微量しか含まれていません。しかし、臓器に異常があったり組織に障害があったりすると、血液中に大量のLDHが流れ出すため、血液中のLDH値が正常値(基準値)を超えて上昇します。LDHには5つのアイソザイム(同じ働きをするが分子構造は異なる酵素)があり、それぞれ違った臓器や組織に存在しています。そのため、LDHのアイソザイムを分析することで、特定の病気や疾患を発見したり、その進行度合いをチェックすることができます。

B型肝炎による肝疾患の場合、たとえば、LDH5が上昇するときは肝がんが疑われ、大きく上昇するときは急性肝炎が疑われます。もっとも、肝臓に異常があるか否かは、GOTAST)・GPTALT)など、ほかの検査数値や、肝生検など、ほかの検査項目と一緒に総合的に診断されます。もしも、健康診断などでLDHが高くなってしまったときには、病院にて詳しい精密検査を受けることをおすすめします。

塩基配列 [えんきはいれつ]

DNAなど核酸の塩基の並び方のことです。DNAが持つ遺伝子情報は塩基配列の形式で保持されています。B型肝炎ウイルス(HBV)の遺伝子は3200個の塩基配列の中に記録されています。HBVのある特定範囲の塩基配列を分子レベルで解析すると、ウイルスの異同・変異・系統などを調べることができます。これを利用したのが、HBV分子系統解析検査です。

エンテカビル [えんてかびる]

エンテカビルは逆転写酵素阻害作用を有する抗ウイルス薬で、B型肝炎ウイルス(HBV)の増殖を抑える経口製剤です。B型肝炎ウイルスが細胞を増殖させるとき、RNAという遺伝子をもとにDNAを複製します。このDNAの複製過程で必要となる逆転写酵素を阻害する働きを薬にすることで、ウイルスの増殖を抑制するのです。抗ウイルス療法に使用される薬剤(核酸アナログ製剤)のうち、日本で認可されているものには、エンテカビルのほかに、ラミブジン、アデホビルピボキシル、テノホビルの4製剤があります。

エンテカビルは抗ウイルス作用が高く、また、投与による耐性株の出現頻度がラミブジンより低いため、核酸アナログ製剤を使う場合には、ラミブジンの代わりにエンテカビルやテノホビルの使用が推奨されています。

核酸アナログ製剤は、副作用が少なく、経口投与可能で、HBVの増殖抑制効果も高い薬ですが、使用を中止すると急激にウイルスが増殖し、肝機能障害を進行させる可能性がありますので、医師の診断に基づいて、しっかりと服用を継続することが重要となります。

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黄疸 [おうだん]

劇症型の急性B型肝炎肝硬変肝がんなどの肝疾患に際してよく見られる症状で、白目、皮膚、尿色などが黄色く濁ってしまう症状を、黄疸(おうだん)と呼びます。

古くなった赤血球や損傷した赤血球のヘモグロビンが分解されるときにできる黄色い色素をビリルビンと呼びます。ビリルビンは肝臓が生成する胆汁の中に排出処理されますが、肝機能が低下するとビリルビンの排出がうまくいかず、処理しきれないビリルビンが血液中に流れ出します。そのため、白目や皮膚、尿色などが黄色く着色してしまう症状が現れるのです。

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