B型肝炎に関する用語集 ま行

ま行の用語

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マイクロ波焼灼(熱凝固)療法(PMCT) [まいくろはしょうしゃく(ねつぎょうこ)りょうほう]

電子レンジにも使用されるマイクロ波という高周波の電磁波により高熱を発生させ、腫瘍を焼いて死滅させる肝細胞がんの治療法です。ラジオ波焼灼(熱凝固)療法(RFA)と同じく局所穿刺療法のひとつです。腹部に超音波を当てて腫瘍の位置を測りながら、体表から長い特殊な針を刺して通電させ、腫瘍にマイクロ波を照射して熱凝固させます。この治療法は、一般的に腫瘍数は3個以下、腫瘍の直径が3センチ以内の場合が推奨されていますので、早期の肝がんに対して用いられています。同じ電磁波を利用するラジオ波焼灼(熱凝固)療法のほうが、治療範囲が広く、治療回数も少なくて済むため、現在では、ラジオ波焼灼療法が主流となっています。ただし、腫瘍の場所によっては、周囲の他臓器を傷付けたり、合併症を引き起こす危険もあるため、注意が必要です。

慢性肝炎 [まんせいかんえん]

臨床的には肝機能検査の異常が6か月以上継続することとされます。

HBVに持続感染した人のうち、ほとんどの方は自覚症状がほとんどない「無症候性キャリア」となりますが、約10~20%の人は慢性肝炎へ移行します。さらに、B型慢性肝炎は長期化すると、肝硬変肝がんへと病態が進行してしまう危険性がありますので、定期検査をおすすめします。

なお、今回の特措法に基づくB型肝炎の給付金制度では、慢性肝炎の方には下記の支給金額が定められています。

  • (1)発症後20年が経過していない方…1,250万円
  • (2)発症後20年が経過し、現に治療を受けている方等…300万円
  • (3)発症後20年が経過した、上記以外の方…150万円

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無症候性キャリア [むしょうこうせいきゃりあ]

出生時(母子感染)や、乳幼児期の集団予防接種等によりB型肝炎ウイルス(HBV)に感染した場合、HBVは肝臓内で増殖していきますが、HBV自身が肝細胞を傷つけることは基本的にはありません。そのため、免疫機能が未発達な時期には、肝炎を発症せずにHBVに感染した状態が続きます(持続感染)。このような、肝炎という症状が現れていないけれども、ウイルスは持っているという状態を無症候性キャリアと呼びます。

その後、成長とともに免疫機能が発達すると、体内からHBVを排除しようとする免疫反応が起こり、肝炎を発症することがあります。発症した方のうちの多くは、肝炎の症状も軽く肝機能障害も進行しませんし、自覚症状が出ることもほとんどありません。しかし、約10~20%の方が慢性肝炎(6ヵ月以上肝炎が持続する状態)に移行し、さらに慢性肝炎が長期化すると肝硬変肝がんへと進行する危険性があります。そのため、無症候性キャリアの方は、定期的に肝臓の検査を受けることが非常に大切です。

今回の特措法に基づくB型肝炎の給付金制度では、無症候性キャリアの方には下記の支給金額が定められています。

  • (1)集団予防接種等後または出生後20年が経過していない無症候性キャリアの方…600万円
  • (2)集団予防接種等後または出生後20年が経過した無症候性キャリアの方…50万円+和解後の定期検査費用等

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免疫応答 [めんえきおうとう]

人間の身体には、病気から免れるための仕組み、すなわち「免疫」が備わっています。私たちは常に細菌やウイルスなどのさまざまな病原体にさらされていますが、免疫機能があることにより、簡単には病気にかかりません。

免疫機能は、生体と同じものを自己、異なるものを非自己として区別します。そして、体内に侵入してきた病原体などの非自己な異物に反応して、排除しようとします。免疫学的に、この場合の非自己な異物を抗原と呼び、このような生体反応を免疫応答と呼びます。

集団予防接種等によりB型肝炎ウイルス(HBV)に感染した母親から出生時に母子感染した場合、また、幼児期の集団予防接種等によりHBVに感染した場合、B型肝炎ウイルスは肝臓内で増殖していきますが、基本的には肝炎を発症することはなく、HBVに持続感染した状態が続きます(無症候性キャリア)。なぜなら、子どもの頃は、免疫機能が未発達のため、HBVを異物として認識・攻撃することができないからです(いわゆる、免疫寛容期)。

その後、成長とともに免疫機能が発達すると、HBVを異物として認識・攻撃できるようになりますので、肝臓からHBVを排除しようとする免疫応答が起こります。白血球内のリンパ球など免疫機能は、肝細胞の中のHBVだけを排除することができず、肝細胞ごと破壊しようとします。そのため、肝臓に炎症が発生します。つまり、B型肝炎は、HBVというウイルスによって炎症が起きるのではなく、ウイルスに対する免疫応答によって炎症が引き起こされているのです。

免疫寛容期 [めんえきかんようき]

集団予防接種等によりB型肝炎ウイルス(HBV)に感染した母親から出生時に母子感染した場合、また、幼児期の集団予防接種等によりHBVに感染した場合、子どもの頃には免疫寛容期と呼ばれる時期があります。

HBVに感染した場合、ウイルスは肝臓内で増殖していきますが、HBV自身が肝細胞を傷つけることは基本的にはありません。そのため、免疫機能が未発達な子どもの頃には、肝炎を発症せずにHBVに持続感染した状態が続きます(いわゆる、無症候性キャリア)。このHBVを異物として認識・攻撃することができない、免疫機能が発達していない時期を、免疫寛容期と呼びます。

その後、成長とともに免疫機能が発達すると、HBVを異物として認識・攻撃できるようになりますので、肝臓からHBVを排除しようとする免疫反応が起こります。リンパ球などの免疫機能はHBVだけを排除することができず、肝細胞ごと破壊しようとしますので、これにより、肝臓に炎症が起きます。つまり、B型肝炎は、HBVというウイルスによって炎症が起こっているのではなく、ウイルスに対する免疫反応によって炎症が起こるというメカニズムなのです。

免疫グロブリン [めんえきぐろぶりん]

人間の身体には、免疫反応により体内に侵入した異物を排除する力が備わっています。体内に侵入したこの異物(病原体)を抗原と呼び、この抗原を排除するためにリンパ球など免疫機能によって作られるものを抗体と呼びます。抗体は、このような免疫の機能面をさした名称なのですが、物質としては免疫グロブリンと呼ばれています。

B型肝炎ウイルス(HBV)に現在感染しているのか、または、過去に感染したことがあるのかを診断するためには、血液検査により、この抗原や抗体を測定します。B型肝炎給付金の受給要件のひとつとして「B型肝炎ウイルスに持続感染していること」というものがありますが、これは、以下の1または2のいずれかの場合であることが要件とされています。

  1. 6ヵ月以上の間隔をあけた連続した2時点における、

    • HBs抗原陽性
    • HBV-DNA陽性
    • HBe抗原陽性
  2. HBc抗体陽性(高力価)

※そのほか、医学的知見を踏まえた個別判断により、B型肝炎ウイルスの持続感染が認められる場合があります。

免疫賦活療法 [めんえきふかつりょうほう]

B型慢性肝炎の治療法としては、肝庇護療法(かんひごりょうほう)や抗ウイルス療法のほかに、免疫賦活療法があります。免疫賦活療法では、持続感染者のB型肝炎ウイルス(HBV)に対する免疫反応を活発化(賦活化)する、つまり、免疫力を強くしてHBe抗原のセロコンバージョンとウイルスの増殖を抑え込むことを目的として行われます。

たとえば、ステロイド離脱療法です。これは、体内の免疫力を抑制する副腎皮質ステロイドを一定期間投与します。すると、一時的にHBVが増殖します。その後、急速に投与を減量中止させ、リバウンド(反跳作用)により高まった(賦活化した)体内の免疫力により、HBVの増殖を抑え込むことを狙います。ただし、一時的に肝炎が悪化しますし、専門医でも経験が問われる治療法であるため、治療には慎重な検討が必要となっています。

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門脈圧亢進症 [もんみゃくあつこうしんしょう]

慢性肝炎が進行すると、長い間の肝細胞の破壊と再生を繰り返した肝臓は、肝細胞の線維化と再生結節の形成が進み、硬く萎縮していきます。その結果、肝機能障害の終末症状である肝硬変を発症することになります。肝硬変になると、肝細胞数の減少による肝機能不全のみならず、肝臓内外の血流障害を引き起こします。その代表例が門脈圧亢進症です。

肝臓は門脈と呼ばれる太い血管により、食道、胃、脾臓、腸など、ほかの臓器と繋がっています。肝硬変による肝臓が硬く委縮したことにより、血流の流れが悪くなり、門脈内の圧力が高まります。これが門脈圧亢進症です。そして、門脈の圧力が高まると肝臓に流れにくくなった血液は、脾臓を肥大化させたり、食道や胃の静脈を怒張させ瘤状の隆起を生じさせます(いわゆる、食道静脈瘤や胃静脈瘤)。

B型慢性肝炎の場合、肝臓が高い再生力・予備力を持っているがために、自覚症状が明確に出ることは多くありません。そのため、静脈瘤の破裂による吐血や下血によってはじめて慢性肝炎から肝硬変に進行したことに気づくことがときどきあります。ですから、無症候性キャリアの方が定期的に肝臓の検査を受けたり、慢性肝炎の方が適切に治療を受けて経過観察をすることが重要なのです。主治医の指導に従いながら、肝臓に負担をかける飲酒・過労・喫煙を避け、適度な運動と規則正しい生活を送り、症状を悪化させないことが何よりも大切です。

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