B型肝炎とはどんな病気?C型肝炎との違いや給付金制度についても解説
B型肝炎給付金の請求期限は
2027年3月31日です

監修 大西 亜希子 弁護士

B型肝炎とはどんな病気?
B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)に感染することによって発症する「ウイルス性肝炎」の一種です。
ウイルス性肝炎には、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎などがあり、それぞれ特徴が異なります。
B型肝炎の主な特徴は、以下のとおりです。
B型肝炎の特徴
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 日本の感染者数 | 約110~140万人(推定) |
| 感染経路 |
|
| 病態の経過 |
【急性肝炎】
【慢性肝炎】
|
| 症状 |
【急性肝炎】 発熱、関節痛、全身の倦怠感、食欲不振、嘔吐、吐き気(悪心)、褐色尿、黄疸など 【慢性肝炎】 自覚症状なし、軽い疲労感・倦怠感、食欲不振、嘔吐、吐き気(悪心)、褐色尿、黄疸など |
以下で詳しく見ていきましょう。
B型肝炎ウイルスの感染者数
日本におけるB型肝炎の持続感染者(ウイルスが体から排除されないまま一定期間、感染状態が続いている方)は、約110万~140万人と推定されています。
日本のウイルス性肝炎の大半はB型肝炎とC型肝炎によるもので、国内でも感染者の多い感染症の1つです。
B型肝炎ウイルスの感染経路
B型肝炎ウイルスは、血液や体液が傷口のある皮膚や粘膜を介することで感染します。
主な感染経路は、以下のとおりです。
| 感染パターン | 感染経路の具体例 |
|---|---|
| 垂直感染 |
|
| 水平感染 |
|
なお、血液や体液に直接触れることがなければ、日常的な接触(握手など)によって感染することはありません。
B型肝炎の病態の経過
B型肝炎には、大きく分けて一過性の肝炎である「急性肝炎」と、6ヵ月以上肝炎の状態が続く「慢性肝炎」の2つがあります。
急性肝炎を発症した場合、自覚症状がないままウイルスが体から排除され、治癒することも少なくありません(不顕性感染)。
ただし、1~2%の方は症状の重い劇症肝炎を発症します。
慢性肝炎を発症した場合、長期化すると、肝硬変や肝がんへと病態が進行してしまうおそれがあります。
なお、急性肝炎はA型~E型のどの肝炎ウイルスでも起こり得ます。
一方で、慢性肝炎を発症するのはB型肝炎またはC型肝炎であることがほとんどです。
B型肝炎の症状
B型肝炎ウイルスに感染し肝炎を発症すると、以下のような症状が出ることがあります。
| 病態 | 症状の例 |
|---|---|
| 急性肝炎 |
|
| 慢性肝炎 |
|
- ※このほかの症状が出る可能性もあります。
B型肝炎の検査・治療・予防の方法
B型肝炎ウイルスへ感染していないか不安がある場合などには、早めに検査を受け適切な治療を受けることが大切です。
以下で、B型肝炎の検査方法や、治療の方針、感染を防ぐための方法について詳しく見ていきましょう。
B型肝炎の検査
B型肝炎ウイルス(HBV)に感染しているかどうかは、血液検査で確認します。
血液検査の内容は、大きく分けて以下の3つです。
| 種類 | 検査でわかること |
|---|---|
| ウイルスマーカー検査 |
|
| ジェノタイプ検査 |
|
| HBV分子系統解析検査 (塩基配列比較検査) |
|
B型肝炎に感染しているかどうかを調べる基本的な検査は、医療機関や自治体によるウイルス検査のほか、健康診断・人間ドックなどで受けられる場合もあります。
B型肝炎の治療
急性肝炎であれば、自然治癒するケースも多いため、安静にし、適切な食事をとるなどの方法がとられることが一般的です。
ただし、劇症肝炎を発症した場合は、抗ウイルス薬の投与や血漿交換、血液透析などの専門的な治療が必要なケースもあります。
慢性肝炎については、ウイルスを完全に除去する治療法がいまだに確立されていません。
そのため、抗ウイルス薬(インターフェロンやエンテカビルなど)の投与などにより、ウイルスの増殖を継続的に抑制し、肝がんの発生を予防することを目標に治療を行うことになります。
B型肝炎の感染予防
B型肝炎ウイルスへの感染を予防するには、B型肝炎ワクチンを接種することが有効とされています。
体質や体調によって免疫ができないこともあるため、ワクチンを接種したからといって必ず感染しないとは言い切れません。
しかし、ワクチンを接種して抗体が陽性になれば、B型肝炎ウイルスへの感染を防げる可能性は上がります。
また、日常生活では、血液や体液が傷口や粘膜に触れないよう注意することで、感染するリスクが下がります。
B型肝炎とC型肝炎の違い
B型肝炎とともに日本の肝炎の多くを占めるのが、C型肝炎です。
B型肝炎とC型肝炎は、どちらも肝臓に炎症が起こる病気ですが、原因となるウイルスや感染経路などに違いがあります。
B型肝炎とC型肝炎の主な違い
| 項目 | B型肝炎 | C型肝炎 |
|---|---|---|
| ウイルス | B型肝炎ウイルス(HBV) | C型肝炎ウイルス(HCV) |
| 感染源 | 血液・体液 | 血液 |
| 感染経路 | 垂直感染・水平感染 | 水平感染であることがほとんど |
| 特徴 | 出生時・乳幼児期の感染では持続感染することが多い | 感染時期にかかわらず持続感染することが多い |
| ワクチン | あり | なし |
| 治療の目的 | ウイルスを制御し進行させないこと (ウイルスの完全な排除は難しい) |
ウイルスを排除し完治させること |
| 肝がん全体を占める割合 | 10%程度 | 70~80% |
B型肝炎に関する制度
B型肝炎は治療が長期にわたることも多く、医療費の負担が大きくなりがちです。
そのため、国や自治体による公的な制度を利用することも検討したほうがよいでしょう。
以下では、「医療費助成制度」と、「B型肝炎の給付金制度」について詳しく解説します。
医療費助成制度
国や各自治体では「肝炎総合対策」として、B型肝炎の検査や治療にかかる医療費を助成する制度を設けています。
たとえば、以下のような費用の助成を受けられる可能性があります。
- 肝炎ウイルス検査で陽性と判定されたあとの初回精密検査や定期検査にかかる費用
- B型慢性肝炎の治療(インターフェロン治療や核酸アナログ製剤治療など)にかかる医療費 など
対象となる方や、申請方法などは、厚生労働省のホームページや、お住まいの自治体の窓口などで確認してみてください。
B型肝炎の給付金制度
国は、過去の集団予防接種等が原因でB型肝炎ウイルスに持続感染した方(その方から母子感染した方や、ご遺族なども含む)を対象に、B型肝炎の給付金制度を設けています。
受給要件に当てはまる方は、訴訟を提起し国と和解することで、病態に応じて50万円~最大3,600万円の給付金を受け取ることが可能です。
B型肝炎の病態別の給付金額
| 病態 | 発症後(※) 20年が経過していない |
発症後(※) 20年が経過している |
|---|---|---|
| 死亡・肝がん・重度の 肝硬変 |
3,600万円 | 900万円 |
| 軽度の肝硬変 | 2,500万円 | 【現に治療を受けている方等】600万円 【上記以外の方】300万円 |
| 慢性肝炎 | 1,250万円 | 【現に治療を受けている方等】300万円 【上記以外の方】150万円 |
| 無症候性キャリア | 600万円 | 50万円+和解後の定期検査費用等 |
- ※無症候性キャリアの方は、集団予防接種等後または出生後
給付金の対象となる方や、具体的な手続の方法など、詳しくは以下のページをご覧ください。
まとめ
B型肝炎は、「ウイルス性肝炎」の一種であり、慢性化すると肝硬変や肝がんなどに進行するおそれもあります。
そのため、早期に検査を受け、状況に応じて適切な治療を受けることが大切です。
国や自治体は、B型肝炎の検査や治療にかかる金銭的な負担を軽くするための制度を設けています。
ご自身の状況に応じ、医療費助成の申請やB型肝炎給付金の請求なども検討するとよいでしょう。
アディーレ法律事務所では、B型肝炎給付金の請求に関するご相談を何度でも無料で承っております。
「私も対象になるのかな?」と気になる方がいらっしゃれば、まずは一度ご相談ください。





